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リアリズム/1対0の意味

 日本が6分間に3点入れられて逆転負けした。ある意味予想していたこともあり、そんなに驚きはなかった。ただ相手がヒディング率いるオーストラリア(日本以上にワールドカップでは歴史のない国)であったことが悔しい。

 オーストラリアは50年ぶり2回目のワールドカップ出場で、前回出場時には3戦全敗で1得点もあげることが出来なかった。昨日はオーストラリアにとってはワールドカップ初得点、初勝利という記念すべき日となった。

 かくいう日本も自国開催の前回は予選リーグ2勝1分(ホスト国であることによる、かなり有利なグループ分け、ホームの有利さを考えれば当然ともいえる)であるが、その前の初出場のフランス大会では3戦全敗である。

 終わった試合のことを結果論的に評論家のように分析するつもりはない。当事者はそのときでは最善と思える判断をしているはずだし、そういう代表を選んだはずだから。

 それよりもやはりサッカーでは歴史の重さを感じる。結局今回も日本代表に足らなかったのは経験だろう。ただ経験というとなんだか軽く感じられ、もっと積み重なったサポーターも含めた歴史の軽さを感じる。

 イングランドもオランダも初戦は1対0で辛勝している。イタリアは日本と同じように前半に1点入れて、後半の半ばまではそのままねばり、後半30分ころに追加点を1点とって2-0で初戦を飾っている。

 イングランドの初戦、はやいタイミングでベッカムのフリーキックが相手の自殺点を誘いラッキーな先制点を奪った。(ここまでは日本と似ている)その後イングランドは攻めを押さえた省エネのサッカーに終始して、内容的にはとてもよい出来とは思えない。しかしイングランドのサポーターは、よく解っている。

 要は試合に勝って勝ち点3を奪えばよいのだ。予選リーグを突破することが目的で、本当のワールドカップはその後にはじまるのだから。

 そして後半の途中からサポーターはイングランド国家を大声でゆっくりと歌い始める。決して「もう1点!もう1点!」みたいな声援はしない。そしてタイムアップ。ベッカムのほっとした表情が印象的だった。

 日本で本当の意味でワールドカップを理解できているのは中田だけだった。川口(3度目のワールドカップだが前回は楢崎に正GKの座を奪われ試合には出場していない)もスーパーセーブを連発して、自分がヒーローみたいな感じで乗りすぎてしまい、あの飛び出しをしてしまったところにリアリズムの薄さを感じる。

 オーストラリアは、ヒディングのワールドカップ出場監督としてのリアリズムがチームに影響を与え、勝利を手にした。

 日本のサポーターは多くをのぞみすぎると思う。すばらしいプレーをしてかつ好きな選手が活躍して勝つみたいな。(まーファンの勝手ではあるが)

 フランスも以前は美しいサッカーをするが、リアリズムが足らずワールドカップでは勝てなかった(またそう言われていた)。しかし自国開催にあたって大統領が優勝宣言したりして、急にリアリズムが上がり優勝した。しかしいきなりのことではなく、もともと多く強豪国と同等の力をもっていて、その上で美しいサッカーをしていたところにリアリズムが加わったのである。

 多くの強豪国はサポーター(国民)も含めそういった歴史を積み重ねて今の地位を得た。そういう意味では日本は、まだまだぜんぜん及ばない。

 クロアチア戦ではある意味開き直りで、多少よい結果が出るような気がする。しかし、今回のワールドカップは、リアリズムをもってやらなければ3戦全敗でもぜんぜんおかしくない。ワールドカップのアウエーで日本はまだ勝ち点をひとつもとっていないのだから。

 そう思っているサッカー関係者はたくさんいるが、マスコミや大衆を意識してか、はっきりと言う人はあまりいない。そこらへんも含めて残念ながら日本にはまだ歴史が足らない。日本が優勝した、WBCと比較できるレベルにはいない。

 ただ悲観している訳ではない、今大会もしっかりと歴史を積み上げて欲しいと思う。

2006.06.13
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僕は昨日の試合は観戦していないのですが、23時の新宿の閑散とした雰囲気にワールドカップの大きさを感じました。
21時過ぎには、お客さんからの電話&メールも止み、ここ2ヶ月で最も静かな平日の夜をすごしました。

by tenshi | 2006年06月13日 12:53